2010年4月8日木曜日

まずはパウルの弓をご紹介!


それでは簡単にパウル エレラが製作した弓の写真を公開しましょう。




バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルなどの作曲家たちが生きていた17,18世紀(音楽史ではバロック時代と呼びます)に使われていたヴァイオリンの弓モデルです。現在用いる弓とはちょっと形が違いますよね。材料はスネークウッド。





ヘビ柄のようにまだら模様があるためそう呼ばれています。南アメリカの熱帯雨林などでみられる木です。

手で持つ部分(フロッグといいます)はこのように装飾を施されたものもあり、エレガントです。その当時は象牙を材料によく用いられました。いまとなっては稀少ですから、代わりにマンモスの牙を使ったりもします。

パウルも私も同業のヴァイオリン奏者。オランダに在住していた頃、アムステルダムから家へ向かう車中で偶然乗り合わせた仕事仲間のトランペット奏者(彼も自らトランペットを製作)に弓作りをすすめられ、大乗り気になった私は帰宅早々さめやらぬ興奮のなか、その出来事を彼に話したものでした。彼はそれを「ふーん、そりゃあいいねえ。」と聞く第三者だったはずが・・・。気がついたら、いつのまにか彼が弓をつくっておりました・・・。弓を作るためにはまず道具の友となり、自在に操れる、使いこなせる事(私素人がもっともらしいことを言っておりますが、隣で見ていての感想です)というテクニカルな部分をマスターする必要があります。機械に疎く忍耐がなく、メンテナンスなどにも基本的にズボラな私を、まず道具のほうが慕ってくれるかがまず疑わしい。この場合、この夢を結局彼が実現したというのは実に「天の正しい判断」だったかもしれません。ちなみに、彼は弓をつくる工房まで自分で建ててしまいました・・・。もともと木工DIYとはあまりつながりのない人だと思っていたのですが、人間、気持ちが入るとやってしまうものなのだなあ。

オフィシャルサイト:http://www.animarhetorica.com/