2016年1月27日水曜日

テレマン ガリバー組曲

子供の頃に読んだ「ガリヴァー旅行記」(スウィフト著)。
いまでこそ子供向けのお話とされているけれど、実は
出版された当時(完全版1735年)のイギリスを批判している風刺文学で、
最高の政治学入門書と認識されているらしい。

かなりの評判を呼んで、初版は1週間で売り切れてしまったとか。

それから250年たった今、アウトリーチにいった小学校では、
1割に満たない子供しかこの本を読んでいないようだけれど、

でもやっぱり本屋に行けば必ず売っているし、
250年のロングラン、と思うとかなりすごいことだなあ ・・笑。

ちなみに、ジブリ「天空の城ラピュタ」のラピュタも
もともとはガリヴァー旅行記で描かれた島だし、

知らない人がいない Yahoo(ヤフー)という名前も
ガリヴァー旅行記に描かれたキャラクターの名前。

まあとにかく、今の今まで世界に残るほどのセンセーションを巻き起こした、ってわけで、テレマンのような作曲家が題材に取り上げたのも、
今でいう、ヒットした映画の音楽を、あとから出版するような感覚だったかもしれない。

そういうと、例えば先に挙げたジブリ作品にしたって、
感動した映画の音楽を聴くと、画像までがくっきりと思い出されたりして、
イメージと音のつながりって、かなりダイレクトにつながってくるもの。
まあ、五感のどれもそうだと思うけれど。

今日は子供達に、ガリヴァーが訪ねた不思議な国をそれぞれかいつまんで読みながら、
音楽を聴いてもらったのだけれど、
私自身、どちらの作品も活かせなかったような感覚が残った。

本当にイメージを音の描写から「観る」という感覚を楽しむには、
ガリヴァーとともに訪ねたくらいの想像体験をしていたら、
音自体も、もっともっと感覚的に生きてくるんだろうなあ。

想像する。
それを音に創りかえてまた想像する。
ラッキーな私たちが与えられた「想像力」。
この楽しみが、今も、そして250年後もまた、
ますます力をましてロングランとなりますように・・。