2015年4月18日土曜日

アグリエイティブな日

今日は久しぶりに暖かい晴れ。
またここからお天気が下り坂になるようなので、
早速畑に出ましたー。




 今日は草取りをして、種まきと植苗の準備♡

畑って、キャンバスに絵を描くようで面白いです。
これまた個性を感じます。

例えば。。。


パウル畑

パウルは美しい畑が好き。
(今まだ育っていませんが、丸太の枠外は芝生で包まれる予定。)
コンサートのチラシにしても何にしても、デザインに関しては
アイデア無尽蔵の彼。
その光るセンスと、妥協を許さないこだわりの気質がうかがえる畑であります・・・


さて私はというと・・・


かおり畑

ちょっとぉ〜、これは雑草ではありませんよ〜、
人参です!
わかりますかぁー?

私は、緑緑した自然農の畑が好き。

こーんなの見ると、その賑やかさと力強さにワクワクしてしまいます。

注:まだうちの畑はこんなに成熟しておりません・・



もっとも、そもそもは、
どこかで見かけた
「ずぼらさんのための、耕さない農」という
タイトル惹かれたからのような気もする・・・笑

とはいっても、

実はずぼらではいられないです・・・
夏は草取りはハンパないし。

そして、

土を見たり、
時をみたり、


何より手をかけてあげないと。

一年目はわけもわからずというのもあって、
ほんとにほったらかしにしていたら、
凄まじく虫に食べられました・・・

達人いわく、

野菜も、気をかけてくれたり、手をかけてくれるものの為に生きるのだそうです。
ほったらかしにしていると、
「そんなら虫に食われた方がましだわ」
っとなるんだそうです・・

全てが理に適っているので、楽しい・・・。


たとえば、雑草とみえる草達も・・・



これ、カラスノエンドウですが、
例えばこれを草刈り機でガガーッと刈ってしまわなきゃ!
なんて気持ちで扱おうとすると、
刃にひっかかってくるし、とにかく面倒な草なんですよね。

でも、このカラスノエンドウ、
表土を守ってくれるから、空豆とか、エンドウマメとかには
有り難い草なんです。

それからこれ。



ホトケノザ。
この草が生えているところは虫害が少ないんだとか。



これは、



もう少し土を整えてあげた方がいいよー、
と教えてくれてる。

会話をしているようで楽しい。
そしてこの草達、根を張ることで土を耕してくれているから、
有り難いんですよ〜。

そうやって見ていくと、もうただの雑草ではないんですよね。

全ては完璧なんですね〜。

心が耕されます・・・

そういえば、農業のことを英語でagricultureっていいますけど、

agri=畑(ギリシャ語agro)と
cultura=耕す

が合わさってできた言葉らしいです。

cultureには教養とかっていう意味もあって、
英語だと文化って訳したりするけど、

語源は耕すってことと繋がっているんですね。


私事になりますが、
ずっとヴァイオリン弾いてきて、
「自分の音に何かが足りないな」
と感じていた時期があるんです。
(今も探し続けているわけなんだけど)

自分の道行きもなんとなく見えないような時期でもあったのですが、
その時に、冴えない私のつぶやきを聞いていた友人がふと、

「なんか、怒りみたいなもの、お腹にたまってるんだよね。
土触ってみるといいよ」

とアドヴァイスしてくれたんですよね。

そんなことから、今では畑のキャンバスに向かうようになりました。

結果、自分の音に何かが足されたかどうかは分からないけれど、
耕し耕され、
全てが繋がっていくような気がしています。

ところで、私のブログのタイトルにありますアグリエイティブ
という言葉、

agri(農)と

creative (創造的な)

を合わせた私の造語でございます。。。。




































2015年4月16日木曜日

琴線に触れる

今日は、首を長くして待っていたヴァイオリンの弦がイタリアからはるばる到着。




私たちが使用しているのは、ガット弦。
テニスで使うあのガットです。

羊の腸や牛の腸を頂戴して作ります。
羊の方が音色が繊細で良い、という論もありますが、
上の写真のものは牛。
このメーカーさんの弦のキャラクターが気に入っているので、
特に動物には今のところこだわっていません笑。

実は私も一度弦の製造を習ったことがあるんです・・・
さあ、自分で作るぞー!っと意気込んで腸を購入したところまでいったのですが・・
(今は狂牛病流行以来、生腸は譲ってもらえないということで、ソーセージ用の腸をとりあえずゲット)
機械に弱い私、弦製作の大道具たちの製作と
水びたしにできるスペース確保という、
一番最初の最初のステップでつまずいたまま、
結局冷蔵庫の中で、ハンパない量の腸の塩漬けが・・・

ソーセージの店、いずれ開店するのかって・・笑。

そんなわけで、今日のテーマは琴線♡

琴線に触れるって素敵な表現ですよね。

琴の弦って、ちょっと触れただけでも音がしますよね。
そよ風でさえつま弾けるというのか、
13本の弦がお互いに共鳴し合うので、
その響きを聴くだけでも癒されます。

ちょっとした事象にも共鳴するということを、感動しやすい心に例えた表現、
どなたが最初に表したフレーズなのか知らないのですが、
日々の生活の中で

「いやあ、今日は私、心の琴線に触れられてしまったわぁ〜」

なんてつい言ってしまうような、
感受性の豊かな過ごし方が出来たらいい感じですねぇ・・・♡

そんなわけで、今日は、私、かおりの心の琴線を触れずにはいられなかった
ヴァイオリニストを紹介します〜。

ちょっと前に、
イギリスをテーマにしたコンサートに参加させていただいたことがあります。
バロック時代のイギリス人たちが楽しみにしていたのが観劇。
そのために書かれた音楽を集めたプログラムだったんです。

その頃のイギリスでは、とりわけお金持ちが観劇を愉しんだ、というわけではなく、
結構巷で劇を見ることでき、みんなの楽しみだった様です。

なので、劇の合間合間に、その頃流行っていたチューン(唄)を演奏したらしいのです。
例えば、皆さんご存知のグリーンスリーブズとかも入ってるんです。

そんなわけで、かなりフィドルを思わせるチューンということで、
ずっとアイリッシュ音楽をリサーチしていて結構ハマったんですが

そのとき見つけたのがこのフィドラー。マーティン・ヘイズです。

ひとまずじーっくり聴いてください・・



いやあ、これこそ、「心の琴線に触れた」と表現するのがピッタリの経験。
心にそのまま入ってくる、というのか。
ただただ、聴き入ってしまうというのか。


でも、面白いんですよ、
彼、さらっと言うんです。

「僕は、音楽を悪用していた時期があるんだ。20代の頃かな。
ただお金を稼ぐ為だけに弾いていた。実際、その頃は
『音楽が感情を表現できる』ってこと、全く信じてなかったんだと思う。」

逆にこの正直さがたまらない笑。

音楽に真摯に向き合ってきた人だからこそ、
さらっと言えてしまうんだと思うけれど・・・

彼をずっと遡ったバロック時代のイギリスに話をズーンととばしますと、
イギリスで活躍していたジェミニアーニというヴァイオリニストがいるんです。
(彼もチューンを感じる作品いっぱい残してます)

コレッリの弟子で、「ヴァイオリン演奏の芸術」みたいなタイトルで教本を残していて、
バロックヴァイオリンを始める時に誰もが学ぶ本なんです。
その序文にですね、

---音楽の意図というのは、耳を心地よくさせることだけではなくて、感情を表現し、人々の創造力を引き出し、心に作用し、熱情をよみがえらせること。
ヴァイオリン演奏にある芸術というのは、
「人の声」(完成なる美)という音色を
この楽器に与えること----


といったような意味合いのことが書かれているんですが
(教本にしてはロマンチックな序文♡こーんな時代だったんですねー)

マーティンのヴァイオリンの音色は
そんな”肉声を感じる何か”があるように思います。




















2015年4月13日月曜日

継続は力。

桜に雪がかぶった不思議な今年の春、今日は久しぶりに春日和の日曜でしたね〜☆




皆様どんな春の一日を愉しまれたのでしょう?
こんな感じ?

サンサーンス『春は目覚めて』歌 マリア・カラス
https://youtu.be/xPayceuu2Pk


それとも・・・

こんな感じ?

「4月のパリ」歌 エラ・フィッツジェラルド
https://youtu.be/AZxrvslGt5w


さてさて、すっかり更新が滞っておりました・・・

そういえば、
息子の剣道のお稽古でちょうど先生から
「継続は力」
というお話を頂いたところ。

若かりし頃は、この言葉は教訓じみているとしか受け取れなかった私も、
この力に偉大さを感じるようになりました・・

だって、
ほんとに難しいんですもの・・・笑。


教訓じみていると感じていた背景には、

継続=反復  →努力が必要

という受け取り方しかなかったからでしょう。

(しかも、努力といわれると、
なにか強いられる感があって・・・)


でも、継続って、やっぱり楽しくなきゃ、できない。

だから、「楽しくなるようにするはどうしたらいいのか?」という
工夫をすることなんだな、
っと最近思います。

実はとても創造的な行為、
なのですね。


継続していてもう一つ素敵なことは、
流れにのっている心地よさ、
かもしれません。


継続=ワクワク

三日坊主なりに、
こんな公式が見えてくるようになりました〜

とはいえ・・
流れから外れてしまった今日は
実は必死で書いています・・ゼーゼー。。。

ひとまずは、とにかく書いて、
またどうか、次につながりますように。


締めくくりに・・・・

先ほどの「4月のパリ」、
バージョンが違うと、同じ歌でもこんなにもしっとり聴けるのですよ↓
                       

私が目にした美しい春日和の         https://youtu.be/fCsNg6XB3dg
写真とともにお愉しみください。













それでは皆様、
また素晴らしい一週間をお過ごしくださいー♡


















2015年3月28日土曜日

パウルの挑戦!

こんにちわ。Kaoriです。アンサンブルグループ、アニマコンコルディアのヴァイオリン弾きです。サイトはこちら→ www.animaconcordia.com

今日はアニマコンコルディアのかたわれヴァイオリニスト、パウルのお話です〜。


あるときはヴァイオリン弾き、






ある時は俳優・・・・



*プロの俳優さん、ごめんなさい!
某国営局放送のクラシック音楽番組で作曲家限定で
演技、出演しているだけです・・・



ある時はクラフトマン・・・



主にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弓を作るんですが、
いつの間にか、自分の作業場まで建ててしまいました・・笑



まあ、この他にも木こりやったり、農夫やったり、
とにかく七変化で挑戦を続ける彼ですが、

一番最近の彼の挑戦が
ヴィオラ・ダ・ガンバ弓。



ヴィオラ・ダ・ガンバは
貴族にもてはやされたバロック時代の楽器。
楽器そのもの、形から音色からとても優雅なんですが、


演奏する姿が



手を広げる天使の優雅な姿に似ているということも、
*矢と冠をもつ天使にご注目!↓



美しさに敏感な貴族の方々にもてはやされた理由の一つなのでしょう♥

パウルは以前にも一度ガンバの弓を製作しているのですが、
自分が演奏するヴァイオリンの弓奏法と

(今日はなぜか天使三昧♡)

ガンバの弓奏法とではかなり違いがあるため、
しばらく手探りなところがありました。

あれから数年ぶりの挑戦・・・





秋から大事に温めてきて
オギャアと産まれたガンバ弓、
早速ヨーロッパへ飛び立っていき・・
お陰様で、ガンビストの嬉しい声を頂きました−♡

↓(もう少しパウルの弓をご覧になりたい方はこら)
http://www.animaconcordia.com/


さてさて、パウルの次なる挑戦は・・?






おおおーっ??????











2015年3月27日金曜日

言わないから、分かって・・

お読みいただき、ありがとうございます!
半農ヴァイオリニストKaoriです。www.animaconcordia.com



春うらら、梅をひとしきり愉しんだ後は・・

じゃじゃーん






スイセン(ラッパズイセン)真っ盛りですね〜☆


スイセンというと、ギリシャ神話で出てくるナルキッソスにちなんだ花。
ナルシスト、っていうじゃないですか?
あれです。(英語だと、文字通りナルシス、と呼ばれています)


ナルキッソスはとても美しい青年。
森の妖精達が恋心を寄せるのですが、
彼は、つれなくも妖精たちを拒みます。


「神に対する侮辱だー!」

と怒った女神ネメシスは

ナルキッソスに魔法をかけ、自分しか愛せないようにしてしまう・・

ナルキッソスは水面に写った自分の姿に恋をし、
その人に触れることもできず、
ただただ、
水面に写る自分を眺めながら死んでいってしまう・・・というお話。



カラヴァッジョ「ナルキッソス」

ナルキッソスの亡くなった水辺に咲いていたのがスイセンなのだそうですが、

こうしてちょっとうつむく姿・・・




水辺を眺め続けるナルキッソスのようだ、
ということで、彼にちなむ花とされています。
ですから、花言葉は

自己愛。

ナルキッソスがかかった魔法はごめんだけれど、

様々な転機が訪れ、何かと忙しくなるこの季節、

自分に向き合い
そして自分を大事にする。
そんなひと時を今一度、持ちましょうよ

っと言って咲いてくれているのかもしれませんね。



さて、言葉なき花のメッセージと同じなのが、
絵画の世界。


いきなりですが、この絵・・・

どんな感覚を覚えますか・・?



ブロンツィーノ 愛の寓意


ロンドンに滞在していた時、ナショナルギャラリーで
その迫力と艶っぽさ、鮮やかさに圧倒され、
自宅に飾っていた(もちろん本物じゃありませんよ!笑)絵です。

ところが、毎日眺めていると、

喜ばしい場面なのか、
それとも実は怪しい絵なのか、

見れば見るほど、分からない
とっても不気味、
しかしなんとも言えない艶やかさに惹かれてしまう。

とても不思議な感触でおりました。

先日、中野京子さんの著書「怖い絵」を読んでいましたら、
この絵が取り上げられていました。

作家でもある中野さんならではの文章力が、
絵画を至近距離で、生々しく感じさせてくれるので


あえて私は詳しくここで書きませんが、

この絵のタイトル「愛の寓意」とは・・

寓意の意味を辞書で調べますと、

ある意味を、直接には表さず、
別の物事に託して表すこと。

つまり、
私、言わないから。
分かって・・

ということ。

知る人ぞ知る
あなたなら分かるわよね・・・(ニヤリ)?

といったところでしょうか。

かなり試されている感ありますが、
実はこの寓意、
バロックの時代は流行っていたのでございます。
(そいでもって、音楽はもちろん格好の材料だったわけ!)

謎・・
分からないからこそ、
自分の感覚を研ぎすませて
内側に入っていくことができる

そーんな時間をくれるのがアートなんですね♡


どうでもいいんですが、
ブロンツィーノの絵右上の「時の翁」と解釈されている髭の老人、

古楽界のパパである彼にそっくり・・・笑


ヴィーラント・クイケン






















2015年3月26日木曜日

違う目で見てみる

先日コンサートでご一緒した演奏家が、高校生時代まで蝶の採集をしていたんだ、というお話をしていました。

「今思えば、殺して標本にするんだから、残酷なことしてたよなー」

という彼に、何がそんなに魅力だったのか尋ねると、やはり「美しさ」だったと。

以前観た「天国の青い蝶」という映画、
世界で一番美しい蝶といわれているブルーモルフォを
死ぬ前に見届けようとした子の話なんですが、
蝶の妖艶さが、映画に超常的な印象を加えていたのをよく覚えています。



フランソワ・ジェラール『クピドとプシュケ』1798年
ルーブル美術館


この絵も、やっぱり蝶が何とも言えない印象付けをしていますよね。
どうしても、蝶に目がいってしまう。


この絵のお話は、クピド(キューピッド)がプシュケという少女に恋をしたお話。
(ギリシャ神話らしい、紆余曲折がありますので、詳しい話を知りたい方は、
↓こちらのブログで書いてくださった物がとても分かりやすいです。)
http://sanmarie.me/eros_psyche/

プシュケというのは、
ギリシャ語では「息」とか「魂」とかという意味で、このお話、


魂(プシュケ)は愛(キューピッド)をもとめる❤
という主題で流行っていたんですって。

じゃあ、そこに蝶とは・・・?

蝶って、魂の象徴だったそうです。

プシュケ(人間)とキューピッド(神)の恋物語なんですが、
プシュケはキューピッドとの愛のために
様々な苦をのりこえて、
最後神体を授かるそうなんですが、
その時に、蝶の羽が生えたそうです。
幼虫からさなぎになって、成虫になる、という、
成長の段階が象徴となって、
プシュケの話と重なったのでしょう。

ちなみに、めでたく結ばれたプシュケとクピドは
「悦び」という名の女の子を授かるそうです。

魂+愛=悦び

いい図式ですね〜❤


イエスと蝶も一緒に描かれることがあるそうです。
幼虫(生)– さなぎ(死)– 成虫(復活)
ということだそうです。



そんなことを知ると、
「ほお〜」

っと思って楽しいですね。
(もっといろいろ知りたい方にオススメ本↓)

モチーフで読む美術史 (ちくま文庫)





でも、たとえばそれを知らなくても、
やっぱりこの絵を観た時、
蝶のモチーフがなんとなく心に残りますよね。

この蝶があることで、
全体の雰囲気の中に
色っぽい豊かさが増しているのは明らか。


だから、たとえ知らなくても、
感じている自分はいる、ということ。

知ってても知らなくてもいい。
感受している自分を探すこと、
なのかもしれません。

音楽でも、物語を音で描写している作品がたくさんありますよね。

どのくらい伝わるんだろう?
ということがすごく知りたい私は、
作品の名前だけ伝えるにとどめて、

(例えば、ビーバー作曲ロザリオのソナタより「受胎告知」https://youtu.be/sIl4SNjHiyI
良かったら想像力、試してみてください・・。)

「この情景読めます?」

と聴く方がたに尋ねたりしたこともあるのですが、
それぞれに物語が浮かぶようです。

「じゃあ、物語が設定されていない曲はどうなるの・・・?」


ということになるんですが、
その物語を、聴きながら自分で創る、
というのが、これまた楽しい鑑賞になるんですよねー。

観る、聴く・・
感受する側も一緒に創造できるのが
芸術なんですね。













2015年3月24日火曜日

魅力的になりたければ、謎をまとうこと

タイトルに書いたフレーズは、残念ながら私の言葉ではありませんで、
ココ・シャネルの一言・・

前回は着物の文様のお話をしました。

その日にふさわしいテーマを身にまとい
見る方はそれを読みといてその日を感じる。

知的興奮さえ覚える粋なおしゃれのお話を聞いていただきましたが、

今度は西洋篇でお届けしたいと思います。

ところで・・・
いきなり話が外れますが

私が専門とするバロック音楽、
「聴きやすいですね〜」
「癒しですね〜」

とおっしゃる方と

「よく分からないんです↓」

とおっしゃる方といらっしゃいます。

「よく分からないんです」とおっしゃる方も
素晴らしい感性だと思います。

そう感じることは、的を得ているんです。

だって、まず普段聴きなれないものは、すっと体には入ってきませんよね。
なにせ、200年以上も前の人たちが聴いていた音楽なんですものね・・・
200年前の人たちの感覚さえ、想像できるものではないし・・

とはいっても・・・

実は、音に対する反応という意味で考えると、
感覚的なところっていうのは、
人間である限り、結構同じだと思います。

200年前に用いられていた音の使い方、
私たちの聴き慣れているヒット曲なんかで
使われていたりします。

でも、やっぱりその時代時代の作風というのがあって、
つまり、美の追求の仕方はその時その時
違ってくるので、
その作風が読み解けないでいると、
「なんだか分からない」
という気持ちが働いて、
「分からない」と思った瞬間から、
感覚の穴が閉じてしまう。



私が最近体験した「分からない」はモダンアート。

ニューヨーク滞在中に、
賛否両論で有名なアーティスト、ジェフ・クーンズの展覧会を観に行ったんですが、




「何がなんだか全く分からん・・・」

ゴッホやモネなどの絵のように
色彩や筆遣いを楽しむ、とかいうんじゃないので、

どこをどうみたらいいのか戸惑い、
一体そのメッセージが何なのか、全く分からないのです。

最初は一人で観ていたのですが、
遠方で夫君は「なるほど〜」という面持ちで作品を眺めているため、
その隣で説明をしている義理の兄のそばで私も鑑賞することに。

そのおかげでしょう。
しばらくすると、なんとなく読み取る鍵みたいなものをつかませてもらったようで、
感覚の穴がポツポツと開いてきた。

だからと言って、メッセージが読めたとかどうかは定かではないのですが、
自由に感じれるようになるから、ある意味それだけで楽しいしおもしろい。


というのも、
ジェフ・クーンズ自体は
美術作品が隠された意味を持っているということを否定していて、
「意味は最初の一瞥で受け止められたものだけで、
作品それ自体の中にあるものと、
受け止められるものとの間にギャップはない」
と言ってるんです・・・

そんなこと言われてもー、
マイケルジャクソンと猿がキンキラの陶器になっている姿を観て、

「・・・で?」
と感じた私はどうしたらいいのー!?
と思いましたけどね。。。



あ、でもキンキラは感じたわけだ!(笑)

つまりそこからもっと自分の感覚の紐をといていけばいいのか・・

兄の話を聞いているうちに、その紐解きの仕方をなんとなく教わったような気がします。

もっとも、美術史の流れやジェフ氏の流れ全体を知っている兄の注釈が
あったからこその読み解きだったような気もするけどぉー・・

そういう兄も(彼もアーティストなんです)


Arturo Herrera

自身の作品について、


「これって、何かしら自分から発信するメッセージや意味はあるんだよね?」

と尋ねると、

「あるにはあるが、それを知ってもらおうという思いではおらず、
とにかく観る人が受け止めたことそのものが作品のメッセージ。」

・・・的な返答でした。。。

ややこしいわー。


人はやっぱり
謎の妙薬に惹き付けられるってことなのかなー。

その謎の中で、作品と自分自身との共有が始まる
そんな体験的鑑賞のできる作風がモダンアートなのかな、と思います。

そうするとやっぱり、ゴッホやモネの時代の眼鏡で観ては
感覚的に通じないはずですよね。



同じように、
音楽でも紐解きの仕方を知れば、
感覚のツボが開いてきます。

「分からない」と感じたらしめたもの。
自分とその作品が共有できる何かが
その背後に隠れていますよー。





あらら、
今日はこの絵について書こうと思っていたのですが、





あえて謎のまま、幕を閉じることといたしましょう(笑)。