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2015年3月28日土曜日

パウルの挑戦!

こんにちわ。Kaoriです。アンサンブルグループ、アニマコンコルディアのヴァイオリン弾きです。サイトはこちら→ www.animaconcordia.com

今日はアニマコンコルディアのかたわれヴァイオリニスト、パウルのお話です〜。


あるときはヴァイオリン弾き、






ある時は俳優・・・・



*プロの俳優さん、ごめんなさい!
某国営局放送のクラシック音楽番組で作曲家限定
演技出演しているだけです・・・



ある時はクラフトマン・・・



主にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弓を作るんですが、
いつの間にか、自分の作業場まで建ててしまいました・・笑



まあ、この他にも木こりやったり、農夫やったり、
とにかく七変化で挑戦を続ける彼ですが、

一番最近の彼の挑戦が
ヴィオラ・ダ・ガンバ弓。



ヴィオラ・ダ・ガンバは
貴族にもてはやされたバロック時代の楽器。
楽器そのもの、形から音色からとても優雅なんですが、


演奏する姿が



手を広げる天使の優雅な姿に似ているということも、
*矢と冠をもつ天使にご注目!↓



美しさに敏感な貴族の方々にもてはやされた理由の一つなのでしょう♥

パウルは以前にも一度ガンバの弓を製作しているのですが、
自分が演奏するヴァイオリンの弓奏法と

(今日はなぜか天使三昧♡)

ガンバの弓奏法とではかなり違いがあるため、
しばらく手探りなところがありました。

あれから数年ぶりの挑戦・・・





秋から大事に温めてきて
オギャアと産まれたガンバ弓、
早速ヨーロッパへ飛び立っていき・・
お陰様で、ガンビストの嬉しい声を頂きました−♡

↓(もう少しパウルの弓をご覧になりたい方はこら)
http://www.animaconcordia.com/


さてさて、パウルの次なる挑戦は・・?






おおおーっ??????











2012年12月23日日曜日

弓製作中の休憩話から ペルナンブーコ

南アメリカとヨーロッパを行き来する貿易船。さて、珍しい食べ物や、貴重品を船に積むのに使われたのが、樽。中にぎっしり詰まった樽は重くて、秤などはとても使えない。そこで、船員たちは、その木樽をトントン、と叩いて、その音で重さを計っていたんだとか。すっごい音楽的・・・・。1トン、2トンという単位は、その「トン」の響きなんだそうです。大体1000キログラムの時の「トン」という響きを皆、経験で感じていた、ということですね。すごい。 (ちなみに、この話を聞いて感動した筆者は、自慢げに息子に話してやったら、「それ、テレビでやってたよ」と言われてしまった) しかし、ここで今日の話は終わりません。この樽の木材に使われていたのが、南アメリカで豊富に見つかっていた「ペルナンブーコ」だったらしいです。ペルナンブーコは柔軟な木材なので、樽の形を作るにはおそらくちょうど良い材料だったのでしょう。 ヨーロッパへ到着して、荷解きをすると、その樽のお役目はなくなるのですが、またここで解体した樽のペルナンブーコ材を欲しがる人々がたくさんいたのです。これは以前にも書きましたが、このペルナンブーコ材、染料としてとても珍重されていたのです。 さてさて、果たしてその樽、弓用には使われたのでしょうか・・?ちょっとソリがついちゃってると思うから、どうでしょうね・・・。 ある午後の休憩話、これにて完結。綴り終える間に、弓、仕上がりました。

2012年12月18日火曜日

弓製作中の休憩話

弓につかう材木の話になった時、たちまち新大陸発見の時にまで遡りました。 520年まえの1492年、コロンブスが大西洋を横断して、南アメリカを発見するのです。 520年というのをかなり前と感じるか、わりと最近と感じるかは人様々でしょうが、このとき、まだヨーロッパ人は日本には来ていないのです。1271年に、マルコ・ポーロが東方見聞録という、アジアへの旅についての記録を残していて、ジパングについても語っていますが、彼が辿り着いたのは中国で、ジパングについては中国大陸で聞いた日本のイメージです。実際にヨーロッパ人が日本の地に足を踏み入れるのは南アメリカへの旅のおよそ50年後。 スペインのコロンブスが南アメリカに辿り着いたあたりの時期は、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマがインドに到着しています。 さて、南アメリカを発見した、といっても、大陸を発見したのはコロンブスの四回目の航海でやっと、なのです。一度目はドミニカ共和国のあたり、「な〜んだ、島じゃん」といって、しかし美しいその場所を目の当たりにして既に〔新世界」を思ったことでしょう。2回目はキューバ。つまりバハマ諸島を発見したということですね。3回目もまた島。やっと四回目に、大陸に辿り着いたのです。パウルの母国、ヴェネズエラを発見したのもその時。ヴェネズエラでもコロンビア側のマラカイボのあたり。マラカイボには海に面して大きな湖があるのですが、そこに辿り着いたようです。湖上に建つ家々をみて、「ヴェネツィアみたいだ」とつぶやいたコロンブス(スペインのコロンブス、と書きましたが、コロンブスはもともとイタリア人)。ヴェネスエラの「スエラ」の部分はヴェネツィアの縮小辞なんです。

2012年11月7日水曜日

木の性格と、音の表現

バロック弓で主に使われる材料はスネークウッド。クラシカル弓でもスネークウッド製のものは最近よく見かける(そして良い弓もたくさんある)が、ペルナンブーコ材の性格がモーツァルトなどの語法でよい力を発揮するような気がする。 スネークウッドは硬い木だ。反面、予測不能に「パキっ!」と真っ二つになったりして(注:弓になってからは、落としたりしない限りさすがに割れたりはしないですよ、苦笑)「竹を割ったような」性格も持っている。弓としての反応を言えば、どっしりと密度の濃い重さと安定感があって、非常に明確に「スピーチ」してくれる材質だ。ペルナンブーコはというと、スネークウッドに比べるとカステラみたい。なんとも言えない軽快さと、そしてしなやかさがある。ハイドンのユーモアや、モーツァルトの屈託の無い柔らかさ、これらにうまく反応してくれる感じだ。材木の種類で全てが解決するわけではもちろん無い。一本の木を弓という姿に移し替える際に、その材木の特性・特徴を読んでそこからうまく弓を象ることができれば、必ずそれなりの機能を持ち合わせたものが生まれるし、それが製作過程の魔法でもあるのだが、木の性格と音の性格がリンクする、という瞬間も間違いなくある。そんなとき、「音楽って自然と人間のアートだな」とうれしくなる。

2010年4月8日木曜日

クラシカル弓に使われるペルナンブーコ

ペルナンブーコ材、これはクラシカルの弓から現代の弓まで幅広く使われている木材ですよね。この木も南アメリカ熱帯の地に生息しており、ブラジル産などがよく知られています。

実はこの木、染色によく使われるんです。それも、とっても素敵なパープルの色がでるんです。中世の時代など、階級によって着用してもよい色が決められていたのはご存知ですか?ペルナンブーコから取り出されるこの色はロイヤルパープルといって、イギリスでは王宮貴族だけが使える色だったそうです。今、ペルナンブーコは激減しており、時間をかけて育った質のよいものが貴重になってしまいました。自然破壊で熱帯雨林が急激に衰えていることに加え、染色のために大量に消費してしまうことが原因の一つでもあるようです。

消費するだけであとはほったらかし、ということにならないよう、取った分植林する、という活動を徹底している木材の業者さんもあります。地球からいただいたら返す。皆で心がけて生きていきたいものです。

スネークウッド



バロック弓によく使われるスネークウッド、名前にいわれるようにヘビ柄(私にはどちらかというとヒョウ柄にみえるのですが)の模様があらわれていて、弓はもちろんのこと、実用品でも家具でも高級感がでるので重宝されています(日本では箸とかでもよくみかけます)。はるか南米からやってきたこの材木はバロック時代の家具職人たちにも見初められたようです。



ただ、このヘビ柄、実は時間の経過とともに消えてゆくのです。もっとも姿を消してしまうまでにはかなりの時間を要しますが。そして少しづつ奥ゆかしい色へと変わっていきます。

弓にとっては模様の美しさという点だけで材料に用いられているわけではなく、この木の性質がバロック時代の音楽表現において求められるものにとてもぴったりきているんではないかなというのが私の個人的な印象です。

ちなみにこの木、ヘビ柄で生えているわけではありませんよ。分厚い表皮を剥いだところにでてくるいわば木の芯の部分。ですから家具のための大きな材木をこの木からとるのが可能になるためには、かなり成長した木でなければいけないわけで、しかしこの木の成長はとても時間がかかるため、それだけ稀少になってくるそうです。家具の場合はとくに高級になるわけですよね。

オフィシャルサイト:http:// www.animarhetorica.com/

まずはパウルの弓をご紹介!


それでは簡単にパウル エレラが製作した弓の写真を公開しましょう。




バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルなどの作曲家たちが生きていた17,18世紀(音楽史ではバロック時代と呼びます)に使われていたヴァイオリンの弓モデルです。現在用いる弓とはちょっと形が違いますよね。材料はスネークウッド。





ヘビ柄のようにまだら模様があるためそう呼ばれています。南アメリカの熱帯雨林などでみられる木です。

手で持つ部分(フロッグといいます)はこのように装飾を施されたものもあり、エレガントです。その当時は象牙を材料によく用いられました。いまとなっては稀少ですから、代わりにマンモスの牙を使ったりもします。

パウルも私も同業のヴァイオリン奏者。オランダに在住していた頃、アムステルダムから家へ向かう車中で偶然乗り合わせた仕事仲間のトランペット奏者(彼も自らトランペットを製作)に弓作りをすすめられ、大乗り気になった私は帰宅早々さめやらぬ興奮のなか、その出来事を彼に話したものでした。彼はそれを「ふーん、そりゃあいいねえ。」と聞く第三者だったはずが・・・。気がついたら、いつのまにか彼が弓をつくっておりました・・・。弓を作るためにはまず道具の友となり、自在に操れる、使いこなせる事(私素人がもっともらしいことを言っておりますが、隣で見ていての感想です)というテクニカルな部分をマスターする必要があります。機械に疎く忍耐がなく、メンテナンスなどにも基本的にズボラな私を、まず道具のほうが慕ってくれるかがまず疑わしい。この場合、この夢を結局彼が実現したというのは実に「天の正しい判断」だったかもしれません。ちなみに、彼は弓をつくる工房まで自分で建ててしまいました・・・。もともと木工DIYとはあまりつながりのない人だと思っていたのですが、人間、気持ちが入るとやってしまうものなのだなあ。

オフィシャルサイト:http://www.animarhetorica.com/